「結納って何?」
「いくら必要なの?」
「しなくちゃいけないもの?」
「両家顔合わせだけでも良いの?」
「結納と両家顔合わせの違いって?」
「結納はしないけど、どんなものか知りたい」
皆さん「結納」についてご存知でしょうか?
なんとなく知ってるけど、ひと昔前のこと…というイメージは強いように思います。結納について全貌を知ろうとすると、地域性・家族の考え方等様々あって、とてもじゃないですが全てを理解することは難しいです。
ですが、結婚が決まったタイミングで「何となく結納ってこんなもの」ということを知っておけば、結納をするのかしないのか、両家でどのように進めていくのか決めていく時に、納得して進めることが出来るのではないでしょうか。
この記事では、結納の『本質』を知っていただき、両家でどういう風に進めていくのが良いのかを話し合うきっかけづくり がまとめられています。
結納って何?
まず『結納』とは何なのかを一言で表すとこんな感じです。
二人の結婚を確かなものにするために行われる儀式のこと
この『確かなもの』って、ちょっと抽象的なイメージがありますよね?
と捉える人が多いと思います。実際、私もその一人でした。結納をせずに、二人の結婚が不確かなものであれば、恐らく離婚率はもっと上がっているはずです。いや、結婚したカップルの約9割以上は離婚することになるかも…。
でもそんなことはないです。ほとんどの方は結納をしていないのに、今でも幸せな夫婦生活を送られているはず。
「じゃあ結納ってしなくてもいいじゃん!」となるんですが、ちょっと待ってください!そう答えるのは結納について、ちょっとだけ知識を入れてからでも決めるのは遅くありません。
『確かなもの』の意味
結婚が決まるまでの流れを一度想像してみてください。
- 男性から女性へプロポーズ~OKのお返事
- 男性が女性の実家へ行き親御様へ結婚の挨拶
- 女性が男性の実家へ行き親御様へ結婚のご挨拶
- 両家の顔合わせ
- 式場見学
はいストップ!
この流れで進んでいくカップルが多いと思いますが、ここまでの流れは「口約束」 ですよね?「結婚させてください!」と相手の実家へ行き親御さんへご挨拶をして了承を得たとしても、それは口約束になります。
これを口約束で終わらせない、二人の婚約を『確かなもの』にするのが結納です。
その1.目録・受書の取り交わし
〇目録(もくろく)
男性側から用意した『結納用品』『結納金』などを送る際に、何を渡したのかが明記されたもの。
〇受書(うけしょ)
「結納用品を確かに受け取りました」という証明の為に、女性側が用意するもの。
男性側と女性側、両家ともが何を送って何を受け取ったかがわかるように書面を取り交わし、保管しておきます。
その2.結納用品のお披露目
男性側から頂いた結納用品は約1か月間、女性側の実家に飾って、親族やご近所様にも見て頂けます。
「立派な結納品ですねー!」
「お嬢さん、素敵なところへ嫁いでいかれたんですね。」
確かなもの
両家で書面を取り交わし、親戚や果てはご近所様へお披露目する…ここまでくると、「やっぱりやーめたっ!」とは言えないですよね?
二人と両家の『口約束』ではなく、きっちりと書面も取り交わし、金品も取り交わし、二人の『結婚の約束を確かなもの』にしています。
結納が少なっている要因
結納を行っているカップルは、婚姻組数全体の約1割程ですがその理由はいくつかあると思います。現実的なことで言えば『大きなお金が必要』だったり、『作法が分からない』だったりします。
順番が変わってしまった
しかし僕は、『順番』が変わってしまったことが大きな要因 だと思います。この順番というのは、
- ①結納・両家顔合わせ
- ②結婚式場の見学
いま多くのカップルは結婚式場が決まってから『両家の顔合わせ』を行っていると思います。
このように、皆さん早めに式場を探し出す傾向にあります(春、秋の気候の良い時期は特に早めに式場が埋まるので)。
「両家顔合わせ・結納」は結婚式の半年前程に行われるケースが多いので、その時には既に式場が決まっている状況が出来上がります。
確かなものが変わってしまった
これは私の考え方ですが、結婚式場が決まっているので二人の結婚は『確かなもの』になっている ・・・というように、新郎新婦を含め親御さんもそう感じられているのではと思います。
なので、結納の本質である『確かなもの』という重要性が薄れてきて『別にしなくても良いか』となっているのではと考えています。
結納をするかしないかの進め方
さて、結納の歴史ではなく結納という儀式の『本質』を説明してきましたが「絶対にしないといけない!」と言っているわけではありません(というのも、私は結納をしていないので偉そうなことは言えないです^^;)。
ただ、「結納をする・しない」ということを二人で決めてはいけません!特に、男性側だけで決めてもいけません!!
結納をするかしないかの希望を出すのは『女性側』です。間違っても男性側から「結納はしなくても良いですよね?」なんてことを言わないでくださいね!
1.女性側の親御様へ確認
まずは女性側の親御さんへお伺いを立てましょう。男性側からいきなり「結納はどうしましょう?」と聞きづらいと思うので、新婦から自分の親御さんへ確認してみてください。
と親御さんへ確認されるのが良いかと思います。
2.二人の意見をすり合わせておく
その後に女性の意見や、二人で擦り合わせた意見を言われてはいかがでしょうか?
親族関係や親御さんの意向はあるかと思いますが娘の意見も尊重して、お相手様のことも考慮して判断したいと思うはずです。なので、二人がどう思っているかということをまずは親御さんへお伝え されてはいかがでしょうか?
準備するお金
結納をするとなると、それなりのお金が必要になってきます。主に男性が用意をすることになります。
男性側の用意一例
①結納用品
②結納金(小袖料※こそでりょう)
③酒肴料(柳多留料※やなぎだるりょう/松魚料※まつうおりょう)
④婚約指輪(エンゲージリング)
※結納ショップ、親御様へ必ずご確認ください。
このように見ると、男性側は大きな金額が掛かることが分かります。その背景には、大切なお嬢様にお嫁に来て頂くので「相応の覚悟を持って、うちに来て頂きます」という気持ちもあります。
しかし、用意する金額が大きい為に「結納は出来ればしたくないなぁ」と考えられないでください!あくまで参考例ですので、決まりではないということです。
気持ちが大切 ですから、ご無理のないように進められるのが良いかと思います(その旨を新郎新婦二人を通して両家の親御様も了解を得るようにしてください)。
女性側の用意一例
女性側も用意しなければいけないものがあります。
結納返し
記念品
※新郎と内容をすり合わせて親御様へ共有し、相談しもって用意した方が良いです。
男性、女性ともに用意するものがありますので「それらの品物を確かに頂きました」という受書(うけしょ)を用意しなければいけません。
余談:結納金のこと
結納金は『小袖料(こそでりょう)』とも言いますが、昔は結婚式の時に着る着物を送られていたそうです(お金のやりとりではなく品物のやりとりが一般的だったそう)。
それが時代背景に合わせて、たくさんの種類の衣装、好みも多種多様に変化していったので「これを結婚準備金に充てて、好きな着物を着てくださいね」という意味合いも込められているのが『小袖料』ということです。
街の結納屋さんの一言
昨今、結納をする人が少なくなり結納屋さんも廃れていっているのが現状ですが、いまだに店舗を構えて営業されている所もあります。
先日、街の結納屋さんへ行ってきました。お店に入ると、職人さんが奥で黙々と結納用品を制作されていました。
私がお店にいる時はお客様が3組様程いらっしゃり、失礼な言い方ですが「たくさんお客さんが来るんだな」と思ったのと同時に今でもこうして地域の方から必要とされていることが生意気にも嬉しくなりました。
「結納をする人が減ってきていますし、されても『簡易結納』で済まされる方がほとんどです。
ですが、何を送るかというよりもお互いの気持ちが何より大切なんです。」
「結納用品を送る方の感謝の気持ち」
「大切に育ててこられたお嬢さんを、お嫁さんに迎え入れることができる感謝の気持ち」
「大切な娘を迎え入れてくれる感謝の気持ち」
「結納金にいくら包まないといけないとか、何を送らないといけないと縛るよりも、大切なのはとにかく感謝の気持ちです」
(家庭の考え方、地域性によっても違うので、そこは考慮してくださいね!)
こんな風に言われていました。
私自身『ほっ』とした感覚になりました。結納ってどこか敷居の高いことだと思っていたのですが…。
『何より大切なのは相手を思いやる気持ちと感謝の気持ち』
ということに親しみを覚えました(風習や家庭の事情等ももちろん加味ながら)。
「結納は絶対しましょう!!!」と言うつもりはないですが、少しだけでも結納について知って頂いた上で「する」のか「しない」のか判断されても良いのでは ないでしょうか。