温かい結婚式
ご家族だけで平日の結婚式をお手伝いさせて頂きました。
という連絡から始まったのですが、以前にご利用くださったお客様からのご紹介でした。二人は保育の専門学校時代からの繋がりで、今回結婚式をお考えの新婦は島根県ご出身の方でした。
大阪の第二の家族
初めてご来店いただいた時は、以前ご利用してくださった新婦と新婦のお母さん、そして、専門学校時代からのお友達。挙式済みの新婦お母さんとも、当時の打ち合わせの度に同席してくださっていたのでたくさんお話をさせて頂いていました。
お友達を含めて、4人でお話をしていきました。しかし、当の本人はあまり乗り気じゃないような・・・「あぁ、連れてこられたように思っているのかな」と、タメになるお話が出来ていないかもと不安を覚えた矢先に新婦が、
皆で、結婚式ってこんなに良いものなのに!と説得というか、言いくるめるような雰囲気です。でも無理やり挙げても意味のない結婚式になってはいけないので、結婚式を挙げなくてもいいと思っている理由をお聞きしました。
入籍から2年経った今までの経緯をお話してくれて、どうやら新郎の仕事絡みで「お披露目」をすることを控えた方が良いだろうということでした。新婦は今まで、「結婚式を挙げるならこんな感じがいいなー」とか、思いや希望もあったようで、情報はたくさんお持ちでいらっしゃいました。
新婦はお話してくれている最中、だんだんと目が赤くなってきて泣き出してしまいました。恐らく結婚式に対して蓋をしてきたのと、新郎を思って諦めた方が良いのかという葛藤があったのだと思います。
どんな結婚式を、どんな場所でするかの前に、まずは新郎新婦で本当に結婚式を挙げるべきかどうかをお話していただくことをお伝えし、今抱えられていることに決着を付けて、気持ちも晴れやかにした状態で結婚準備を進めましょう!ということで今回はお帰り頂きました。
ただ、新婦としてもこうして動き出すことにも抵抗はあったと思うのですが、きっかけとなったのは「第二の家族」と言われていた「お友達とそのお母さん」の存在が大きいようでした。
お話の最中もお母さんやお友達が
学生時代も家に泊まらせてもらったり、ご飯を誘っていただいたりしていたそうで新婦にとっては「大阪の家族」と思っていたそうです。
こんな繋がりがあるならきっと島根にいる親御様も、安心して見守っておられるんだろうなと思いました。素敵な繋がりを感じることができました。
結婚式当日
島根県からご家族、ご親族の方が来られました。
「もしかしたら当日、体調が優れずに来れないかも・・・」と心配していたおばあちゃんも車いすに乗って駆け付けてくれました。体調が崩れたときには横になって休めるように布団を用意しました。
とても恥ずかしがりやで一人で歩けないからと、お父さんと一緒に指輪を持ってきてくれた1歳10か月になるリングボーイの新婦の甥御ちゃん。
「楽しい宴にしたいから、(かたい)挨拶はなし!」と終始にこやかに見守っておられた新郎お父さん。
「結婚式だけでもいいから見に行かせてね!」と、わざわざ島根県から来てくれたお友達。
「乾杯・・・」と照れながら、可愛く発声してくれた小学校一年生の新郎甥御ちゃん。
周りの方たちの協力をなくして、今回の結婚式は実現できなかったです。結婚式の後は親族だけの食事会だったんですが、大阪のお母さんも、お友達も皆来てくれてとっても温かい結婚式になったと思います。
やって良かったと思える瞬間
結婚式が終わった後に「やってよかった!」と笑顔でお話してくださった新婦の顔は今でも思い出されます。
それぞれの思いがある結婚式ですが、「やってよかった」と思える瞬間があるはずです。ゲストが楽しそうに過ごしているのを見たとき、親が喜んでいる姿を見たとき・・・等、それは二人に直接かかわる時じゃなくて「誰かが何かをしているとき」にそう感じる人が多いように思います。
きっとそのために準備を進められてこられたので、喜んでくださるのが一番ですよね。そしてそれは、式場で働いているスタッフにも影響してきます。「この人たちのために何かしてあげたい」という思いは、「新郎新婦」ではなくてゲストに向きます。
「新郎新婦にとって大切な方たちだから、精一杯おもてなしをして、喜んで帰ってもらおう」と気概を持って接客にあたれます。
たかだか1年ちょっとの、もしかしたら半年ほどのお付き合いで結婚式当日を迎える人もいるかもしれませんが、担当プランナーさんと良い関係で進めていくことがどれだけ大切なことかは実は当日になって初めて気づきます。
結婚式場もプランナーさんも、ボランティアではなくお商売ではありますが、「何かしてあげたい」気持ちは働いているすべてのスタッフに影響が出始めて、みんなで良い結婚式を作り上げていこうという気持ちになります。
今はSNSやインターネットでたくさんの情報が手に入る時代なので新郎新婦の二人だけで準備を進められたり、色々手配も可能な時代ですが、実名をさらして責任をもってお話している式場プランナーさんともたくさん話したり、相談することで「良い結婚式」に近づいていると思いますよ。